密苗と区画整理の前と後
皆様は密苗という言葉をご存じでしょうか?密苗とは、田植え前に育苗している苗箱の苗が通常と比べて密に植えられているものを言います。
当社ではこの密苗方式を採用しています。
密苗にするとどのようなメリットがあるかご説明します。
苗の密度が通常のおよそ3倍で苗箱に植えられているため、苗箱数が単純に3分の1になります。
ハウスの数や必要な資材の数も削減されます。
田植え時には、播種や苗の運搬にかかる時間が減るため労力費が削減され効率化が図れます。
植えられている苗の数は変わらないので収穫量は通常と同じですので技術革新ともいわれています。
その半面、通常の機械では植えることができず、密苗対応の最新の機械が必要になるというデメリットもあります。
また、当社では区画整理後のほ場を稲作ではなく里芋栽培として転作を行っております。
転作とは、生産調整によって、稲から他の作物へ栽培をかえることを転作といいます。
大豆や麦はその代表的な転作作物です。
日本国内では大豆や麦の生産を増やし、外国からの輸入を減らすことを目指したりしています。
お米だけでは、供給過多となってしまい需要と供給のバランスが崩れてしまうため、転作を行いバランスを保っています。
当社では、お米だけでなく高収益作物の一つとして里芋を栽培しています。
区画整理とよく耳にするかと思いますが、
区画整理とは生産性と作業効率をアップさせるために、ほ場の改良や水路の整備を行い、ほ場を1枚当たり面積の広いものに整理する工事をいいます。
その土地によって整理する面積や枚数にはばらつきがあります。区画整理にも稲作用の区画整理と転作用の区画整理とあります。
用途によって整備の仕方が変わってきますので全く同じ区画整理はありません。
当社が管理している稲作用のほ場を例にしますと
区画整理前は小さいほ場が20枚以上あったものを、区画整理後には1枚当たりが面積の広い5枚のほ場に整備しました。
区画整理前だと小さいほ場に機械が出入りするだけでも時間がかかってしまい、
そのうえ小型機械しか導入できず効率がよくありませんでした。
区画整理後は枚数が減るため機械の出入り数が減り、さらに大型機械の導入が可能になるため作業効率が大幅にアップします。
幅広い地域で活性化を行っていきたいと考えていますので
今後も様々な技術を取り入れ、人にも環境にも優しいハイブリッド農業を目指し取り組んでいきたいと思います。
2023年05月18日 09:00